はじめに:「意味不明」「難解」と評判のNetflix映画
Netflix配信のスリラー映画『ホールド・ザ・ダーク そこにある闇』(2018年)。
「ブルー・リベンジ」「グリーンルーム」のジェレミー・ソルニエ監督が手がけた、アラスカの極寒の地を舞台にしたバイオレンス・サスペンス。
しかし、観た人のほとんどが口にするのは——
「意味がわからない」
「説明不足すぎる」
「結局何が言いたかったの?」
本記事では、実際に鑑賞した筆者が、なぜこの映画が疑問だらけなのか、独りよがりな脚本と感じる理由、そしてWEB上のレビューも参照しながら、徹底的にレビューします。
※この記事は完全ネタバレです。未見の方はご注意ください。
スポンサーリンク
映画基本情報

作品データ
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 原題 | Hold the Dark |
| 邦題 | ホールド・ザ・ダーク そこにある闇 |
| 配信年 | 2018年(Netflix独占配信) |
| 上映時間 | 125分 |
| 製作国 | アメリカ |
| ジャンル | スリラー、サスペンス |
| 監督 | ジェレミー・ソルニエ |
| 脚本 | メイコン・ブレア |
| 原作 | ウィリアム・ジラルディ『Hold the Dark』(2014年) |
| 出演 | ジェフリー・ライト、アレキサンダー・スカルスガルド、ライリー・キーオ |
評価
Rotten Tomatoes: 批評家支持率70%、平均点6.4/10
Metacritic: 63/100
Filmarks: ★★★3.1点(1,121件のレビュー)
映画.com: 賛否両論
批評家の総評:
「おどろおどろしい雰囲気は観客の期待以上だが、不明確なストーリーという欠点を十分に補うものではない」
スポンサーリンク
あらすじ(ネタバレ含む)
前半:狼にさらわれた息子
アラスカの辺境の村。
母親メドラ(ライリー・キーオ)から、狼研究者の作家ラッセル・コア(ジェフリー・ライト)に手紙が届く。
「息子が狼にさらわれました。狼を殺してください」
ラッセルは村を訪れ、メドラと対面。その夜、メドラはラッセルのベッドに忍び込み、自分の首を絞めるよう促す(意味不明なシーン1)。
翌日、ラッセルが狼を探しに出かけて戻ると、家には息子ベイリーの死体が転がっていた。息子を殺したのはメドラ自身だった。
中盤:夫ヴァーノンの帰還と大虐殺
メドラの夫ヴァーノン(アレキサンダー・スカルスガルド)は、イラクで軍務に就いていたが、息子の死を知り帰国。
しかし、ヴァーノンは警察署を襲撃し、警官たちを次々と殺害。約10分間にわたる意味不明な銃撃戦が展開される(意味不明なシーン2)。
保安官ドナルドは、ラッセルと共にヴァーノンを追うが、ヴァーノンの矢であっさりと死亡(意味不明なシーン3)。
後半:メドラとヴァーノンの逃避行
メドラとヴァーノンは再会し、一緒に逃亡。
途中、ヴァーノンは追跡してきた村人たちを次々と殺害。雪原で銃撃戦、次々と人が死ぬが、なぜこんなに殺すのか説明なし(意味不明なシーン4)。
ラスト:洞窟での対峙
ラッセルは、メドラとヴァーノンを洞窟で発見。
ヴァーノンは、ラッセルの銃を見て、自ら額を銃口に押し当てる。ラッセルは引き金を引くが、弾は外れる。
ヴァーノンは狼のように四つん這いで洞窟の奥へ消える。
メドラは、老婆に変装して洞窟を出て行く(意味不明なシーン5)。
ラッセルは何も成し遂げられず、ただ呆然とするだけ。
終わり。
スポンサーリンク
この映画の最大の問題点:疑問だらけで説明不足
疑問1: なぜメドラは息子を殺したのか?
答え: 映画では明確に説明されない。
推測:
- 原作では、メドラとヴァーノンは兄妹で、息子ベイリーは近親相姦の子供だった
- 映画ではこの設定がカットされている
- 「オオカミはストレスで子供を殺すことがある」という動物行動学の話が出てくるが、メドラがなぜそこまでストレスを感じていたのか不明
WEB上の反応:
「原作では兄妹設定らしい……もっと説明してほしかった」(Filmarksレビュー)
疑問2: なぜメドラはラッセルを呼んだのか?
息子を自分で殺しておきながら、なぜ狼を殺すためにラッセルを呼んだのか?
推測:
- メドラは精神的に壊れており、自分が息子を殺したことを忘れた、または狼のせいにしたかった
- ラッセルに首を絞めさせようとしたのは、自殺願望?
- 結局、何がしたかったのか不明
疑問3: なぜヴァーノンは警察署を襲撃したのか?
約10分間の銃撃戦で、警官たちを次々と殺害するヴァーノン。
なぜ?
推測:
- 妻を連れ戻すため?
- でも、妻は警察署にいない
- 単に暴力衝動?
- 説明なし
WEB上の反応:
「意味不明に長い銃撃戦では目が点に・・・そういうもの求めていません」(Yahoo!映画レビュー)
疑問4: ヴァーノンとメドラの関係は?
映画では「夫婦」としか説明されないが、原作では兄妹。
この設定をカットしたため、2人の異常な行動の背景が全く理解できない。
WEB上の反応:
「海外レビューを読んだら原作ではあの金髪夫婦は兄妹設定らしい」(Filmarksレビュー)
疑問5: 「ターナック」って何?
村の老婆が「ターナック」という言葉を口にするが、説明なし。
調査結果:
- イヌイット神話の悪霊「トゥピラック」に似た言葉
- 「心に住む悪魔」を指す?
- Googleで検索しても出てこない造語の可能性
結論: わからない
疑問6: ラストの老婆は誰?
洞窟から老婆が出てくるが、これはメドラが変装しているらしい。
なぜ変装?どうやって変装?誰の服?
答え: 説明なし
疑問7: ヴァーノンが狼のように四つん這いになったのはなぜ?
ラストシーン、ヴァーノンは狼のように四つん這いで洞窟の奥へ消える。
推測:
- タイトル「Hold the Dark(闇を抑えろ)」の意味は、「心の闇=狼」を抑えろということ
- ヴァーノンは心の闇=狼を解放した
- でも、それで何が言いたいの?
疑問8: ラッセルは何のために存在したのか?
主人公ラッセルは、何も成し遂げない。
狼も殺さない、メドラも止められない、ヴァーノンも倒せない。ただ、事件に巻き込まれただけ。
最後のセリフ:
「あの時ちゃんと聞いてなかった」
観客の反応:
「劇中で主人公も『あの時はちゃんと聞いてなかったから、、』って言うセリフがあるんだけどほんとその通りよ」(Filmarksレビュー)
なぜこの映画は「独りよがりな脚本」なのか
理由1: 原作の重要設定をカット
原作では、メドラとヴァーノンが兄妹で、息子は近親相姦の子供という設定。
この設定があれば、2人の異常な行動も、息子殺しも、ある程度理解できる。
しかし、映画ではこの設定をカット。
結果、観客は「なぜ?」と疑問を抱くばかり。
理由2: 雰囲気だけで中身がない
美しい雪景色、不穏な音楽、暴力的なシーン——雰囲気作りは完璧。
しかし、ストーリーは穴だらけ。
WEB上の反応:
「雰囲気というか、世界観というか、それらはとっても好きなのだけれども、ストーリーが全く分からない」(Filmarksレビュー)
理由3: 「考察させる映画」という逃げ道
監督や脚本家は、おそらく「観客に考えさせる」ことを意図している。
しかし、考察の材料すら与えられていない。
考察と説明不足は違う。
理由4: 登場人物の行動理由が不明
メドラ、ヴァーノン、ラッセル——誰一人として、行動理由が明確に語られない。
WEB上の反応:
「登場人物の動理由が謎のまま終幕を迎える」(映画.comレビュー)
理由5: 暴力シーンだけが長い
警察署の銃撃戦、雪原での殺戮——暴力シーンは約20分以上。
しかし、なぜこんなに殺すのか、説明なし。
WEB上の反応:
「かなり暴力的、視聴注意」(映画.comレビュー)
スポンサーリンク
WEB上のレビューまとめ
否定的なレビュー
「駄作」:
「本作の魅力が特に感じられ無いので、みどころをひねり出すのに苦労しました。久しぶりに駄作を見たな、という感じがしました」(ぱっかんシネマ)
「意味不明」:
「難しい・・・。理解出来なかった」(Filmarksレビュー)
「狼が関係ない」:
「それにしても狼が話にまったく関係ないのは驚きました」(Yahoo!映画レビュー)
「説明してほしかった」:
「もっと感情とかそこまで至る経緯をじっくり見せてもらいたかったように思う」(Filmarksレビュー)
肯定的なレビュー
「雰囲気が良い」:
「雪景色と陰鬱な雰囲気が好きなので視聴。難解ではあるが、山場も適度にあって演出も良好」(映画.comレビュー)
「考察が楽しい」:
「映画を見るときあれこれ想像するのが嫌いなひとには向かない作品」(映画.comレビュー)
「不穏さが良い」:
「物語が解決に向かうのではなく、だんだん雰囲気が不穏になっていく、これが良い」(映画.comレビュー)
スポンサーリンク
個人的評価:★★☆☆☆(2/5)
良かった点
✓ 映像美: アラスカの雪景色は美しい
✓ 雰囲気: 不穏で陰鬱な空気感は秀逸
✓ 演技: キャストの演技は良い
✓ 暴力描写: リアルで容赦ないゴア表現
悪かった点
✗ 説明不足: ストーリーの肝心な部分が説明されない
✗ 原作の重要設定をカット: 兄妹設定をカットしたため、話が破綻
✗ 登場人物の行動理由が不明: 誰も何をしたいのかわからない
✗ 主人公が何もしない: ラッセルの存在意義が不明
✗ 無駄に長い暴力シーン: 銃撃戦が長すぎる
✗ カタルシスなし: 何も解決せず、ただ終わる
総評
雰囲気作りは一流、ストーリーは三流。
「考察させる映画」というより、「説明不足で投げっぱなしの映画」。
原作の重要設定をカットしたため、観客は置いてきぼり。
独りよがりな脚本と言われても仕方ない。
Filmarks: ★★★3.1点(1,121件のレビュー)3.1をもらっているが、管理人自身は見終わって、時間の無駄かなという印象をもったのです。
これから鑑賞しようとする方には全くおすすめしません。
スポンサーリンク
こんな人にはおすすめ
✓ 雪景色と陰鬱な雰囲気が好きな人
✓ 「ウインド・リバー」「ノーカントリー」のような作品が好きな人
✓ 意味不明でも雰囲気を楽しめる人
✓ 暴力描写が好きな人
✓ 考察が好きで、答えがなくても気にしない人
こんな人にはおすすめしない
✗ ストーリーの整合性を求める人
✗ カタルシスを求める人
✗ 説明をしっかりしてほしい人
✗ 「結局何が言いたいの?」とイライラする人
✗ 暴力シーンが苦手な人
スポンサーリンク
視聴方法
配信: Netflix独占配信(見放題)
料金:
- 広告付きベーシック: 月額990円
- スタンダード: 月額1,490円
- プレミアム: 月額1,980円
公式サイト: https://www.netflix.com/
スポンサーリンク
よくある質問(FAQ)
Q1: この映画は面白いですか?
A: 人によります。雰囲気重視で、ストーリーの整合性を気にしない方には楽しめるかもしれません。しかし、「意味がわからない」と感じる人が大多数です。
Q2: 原作を読んだ方が理解できますか?
A: はい。原作では、メドラとヴァーノンが兄妹という重要な設定があり、映画よりも理解しやすいです。
Q3: 狼は出てきますか?
A: ほとんど出てきません。タイトルに「ダーク(闇)」とあるように、「狼」は「心の闇」のメタファーです。
Q4: ラストはどういう意味ですか?
A: 明確な答えはありません。ヴァーノンは心の闇(狼)を解放し、メドラは逃げ去った、としか言えません。
Q5: 子供でも見られますか?
A: いいえ。暴力描写、ゴア表現が多く、R指定相当です。
Q6: 「ウインド・リバー」に似ていますか?
A: 雰囲気は似ていますが、「ウインド・リバー」にはカタルシスがあります。「ホールド・ザ・ダーク」には救済もカタルシスもありません。
Q7: 考察サイトを読めば理解できますか?
A: 多少は理解できますが、考察サイトでも「結局わからない」と結論づけているものが多いです。
スポンサーリンク
参考:似た雰囲気の映画
『ホールド・ザ・ダーク』が気に入った(または、モヤモヤしたのでスッキリする映画が見たい)方には、以下の作品もおすすめです。
1. 『ウインド・リバー』(2017年)
監督: テイラー・シェリダン
あらすじ:
アメリカ先住民居留地で起きた少女殺人事件を、ハンターと新米FBI捜査官が追う。
共通点:
- 雪景色、閉鎖的なコミュニティ
- 法律があるようでない辺境の地
- 暴力と闇
違い:
- 『ウインド・リバー』には救済とカタルシスがある
- ストーリーが明確
評価: ★★★★
2. 『ノーカントリー』(2007年)
監督: コーエン兄弟
あらすじ:
麻薬取引の大金を拾った男を、冷酷な殺し屋が追う。
共通点:
- 予測不能のサスペンス
- 無慈悲な暴力
- 不条理な結末
違い:
- コーエン兄弟の脚本は緻密
- キャラクターの行動理由が明確
評価: ★★★★★
3. 『THE GREY 凍える太陽』(2011年)
監督: ジョー・カーナハン
あらすじ:
アラスカで飛行機が墜落。生存者たちは狼に襲われながら生き延びる。
共通点:
- アラスカ
- 狼
- 極寒のサバイバル
違い:
- ストーリーは明快
- 人間ドラマがしっかりしている
評価: ★★★★☆
4. 『最後の追跡』(2016年)
監督: デヴィッド・マッケンジー
あらすじ:
銀行強盗を重ねる兄弟と、それを追う保安官。
共通点:
- アメリカの過酷な現状
- 追跡劇
- 暴力
違い:
- ストーリーの整合性が高い
- キャラクターに感情移入できる
評価: ★★★★☆
スポンサーリンク
まとめ:雰囲気は良いが、脚本は独りよがり
『ホールド・ザ・ダーク そこにある闇』は、映像美と雰囲気作りは一流だが、ストーリーは穴だらけの作品です。
ブログサムネにホールド・ザ・ダーク そこにある闇のティーザー画像をのせました。ので鑑賞する、しないはその予告編を見られて判断しては。
この映画の問題点
- 原作の重要設定(兄妹)をカットしたため、登場人物の行動が理解不能
- 説明不足で、疑問だらけ
- 登場人物の行動理由が不明
- 主人公が何も成し遂げない
- 無駄に長い暴力シーン
- カタルシスなし
「考察させる映画」ではなく「説明不足の映画」
「考察させる映画」というのは、材料を与えた上で、観客に解釈の余地を残す映画です。
しかし、『ホールド・ザ・ダーク』は、材料すら与えていない。
これは「考察」ではなく、単なる「説明不足」です。
ホールド・ザ・ダーク そこにある闇←そもそもこの映画の脚本が闇だ!
WEB上のレビューも賛否両論
肯定的なレビューは「雰囲気が良い」「考察が楽しい」というものがほとんど。
否定的なレビューは「意味不明」「駄作」「説明不足」。
観客の大半は「意味不明」と感じているのが現実です。
個人的には★★☆☆☆(2/5)
雰囲気作りだけは評価できますが、ストーリーの破綻、説明不足、カタルシスのなさから、おすすめはできません。
「独りよがりな脚本」という批判は、的を射ていると思います。
Netflix独占配信中。気になる方は、一度ご覧になってみてください。ただし、モヤモヤする覚悟を。
最終更新: 2026年1月25日
情報の正確性: 本記事の感想は筆者の個人的見解です。作品の解釈は人それぞれです。
コメント