Netflixで配信されるやいなや、「胸糞すぎる」「不気味すぎて夜眠れない」と話題をさらったサイコスリラー映画『アンファミリア(原題: The Strays)』。
完璧な生活を送っていた女性の前に、突如として現れた「過去の影」。本作が描くのは、単なるストーカー恐怖体験ではなく、根深い差別やアイデンティティの拒絶が生んだ悲劇です。
今回は、この衝撃作のあらすじ、ネタバレ、そして結末の解釈について、管理人「ムービーくん」が深掘りレビューをお届けします。
スポンサーリンク
📌 基本データとキャスト

まずは、本作を支える実力派の面々と基本情報を整理しましょう。
| 項目 | 詳細 |
| 原題 | The Strays |
| 公開年 | 2023年 |
| 監督・脚本 | ナサニエル・マルテロ=ホワイト |
| 上映時間 | 100分 |
| ジャンル | サイコスリラー、社会派ドラマ |
主要キャスト:静かな狂気を演じる俳優陣
- ニーヴ(アシュリー・マデクウィ): 高級住宅街で完璧な生活を送る黒人女性。自分のルーツを否定し「白人」として振る舞う。
- カール(ジョーダン・マイリー): ニーヴの前に現れる謎の青年。
- ディオンヌ(バッキー・バックレイ): カールと共に現れる謎の若い女性。
- イアン(ジャスティン・サリンジャー): ニーヴの現在の夫。裕福で優しいが、妻の過去を知らない。
📜 あらすじと結末(ネタバレ)
第1幕:捨て去った過去
物語は数年前、一人の女性・シェリルが貧困とDVに耐えかね、住んでいたアパートを捨てて逃げ出すシーンから始まります。彼女はカウンタに「買い物に行ってくる」と書き置きを残し、幼い二人の子供を置いて失踪しました。
第2幕:完璧な「ニーヴ」としての人生
舞台は現代のイギリス、郊外の高級住宅街。かつてのシェリルは、今や「ニーヴ」と名乗り、白人の夫イアン、そして二人の子供たちと絵に描いたような幸せを享受していました。彼女は地元の私立学校の副校長を務め、話し方も服装も、完璧に「上流階級の白人女性」として振る舞っています。
しかし、ある日を境にニーヴの視界に「不気味な二人組」が入り込むようになります。学校の近く、職場の影、パーティの片隅。誰も気に留めない彼らの存在に、ニーヴだけが過剰に怯え、精神を乱していきます。
第3幕:招かれざる客
ついに、その二人組がニーヴの前に立ちはだかります。彼らの正体は、数年前にニーヴ(シェリル)が捨て去った実の子供、カールとディオンヌでした。
彼らはニーヴの現在の家庭に「家族」として迎えられることを要求します。ニーヴは夫に「過去の過ち」として彼らを紹介せざるを得なくなりますが、彼女の心にあるのは子供への愛情ではなく、自分の築き上げた完璧な世界を壊されることへの恐怖だけでした。
結末:繰り返される「逃亡」(ネタバレ)
物語のクライマックス、カールとディオンヌはニーヴの家に押し入り、現在の家族を監禁して異様な「誕生日会」を強要します。カールはイアン(現在の夫)をホームジムの重りで殺害。家の中が血と悲鳴に包まれる中、ニーヴは一瞬の隙を見て「デリバリーの注文」を口実にキッチンへ向かいます。
玄関にデリバリーのバイクが到着した瞬間、ニーヴはかつてアパートを去った時と同じように、**再び子供たち全員を置いて、一人バイクの後ろに乗って闇の中へ逃げ去ります。**残された子供たちは、呆然と去りゆく母親の後ろ姿を見つめるのでした。
スポンサーリンク
🧐 ムービーくんの深掘り考察:ニーヴが捨てたものは何か?
本作を単なる「復讐もの」として見ると、ラストの消化不良感に驚くかもしれません。しかし、ここには深い社会的なメタファーが隠されています。
1. 「ウィッグ」が象徴するアイデンティティの拒絶
ニーヴは劇中、常にウィッグを着用し、自分の地毛(黒人特有の縮れ毛)を隠しています。これは彼女が自分の人種的ルーツを恥じ、白人社会に同化しようとする執着の象徴です。
カールたちが現れたことで、彼女のウィッグ(=偽りの自分)が剥がれ落ちていく描写は、精神的な崩壊を視覚的に表現しています。
2. なぜ彼女はまた逃げたのか?
多くの視聴者が「なぜまた逃げるの?」と憤りを感じたはずです。しかし、ニーヴにとって最も大切なのは「子供」でも「夫」でもなく、「自分という存在を定義する快適な環境」なのです。
彼女は自分の人生を「作品」として捉えており、欠陥(過去の子、殺人現場となった現在の家)が生じた瞬間、その作品を破棄してまた新しいキャンバスを探しに行く。彼女は究極の自己愛者であり、サバイバーなのです。
3. 『アンファミリア』は実話に基づいている?
本作は特定の実話に基づいたものではありません。しかし、監督のナサニエル・マルテロ=ホワイトは、「黒人女性がより良い生活を求めて、
自分の人種的アイデンティティを捨てて白人として振る舞う(パスする)」という、実際に歴史上多く存在した社会現象からインスピレーションを受けたと語っています。
スポンサーリンク
💬 管理人ムービーくんの正直感想:この不快感こそが「正解」
こんにちは!管理人ムービーくん(@tetsukawasaki)です!
いやぁ……観終わった後、しばらくソファから立ち上がれませんでした。これ、最高の「嫌ミス(嫌な気分になるミステリー)」ですよ。
ムービーくんのオススメポイント:ここを観て!
僕がこの映画で一番「ゾッ」としたのは、ニーヴが鏡の前で自分の顔を練習するシーンです。
「上流階級らしい微笑み」や「洗練された笑い声」を、あたかも外国語を習得するように身につけていく彼女。その姿は、どんなホラー映画の怪物よりも不気味でした。
また、音楽の使い方が抜群です。不穏な弦楽器の音が、静かな住宅街の不自然さを強調していて、心拍数がじわじわ上がります。
「ムービーくん」的評価:★★★☆☆(3.8)
「スッキリ解決!」を求める人にはおすすめしません。でも、**「人間の業(ごう)の深さを覗き見たい」「ジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』のような社会派スリラーが好き」**という人には、絶対に観てほしい一本です。
ラストシーン、バイクのエンジン音と共に流れる静寂。あの一瞬に、この映画のすべてが詰まっています。
📺 どこで見れる?(映画館・サブスク・TV)
『アンファミリア』を視聴できるプラットフォームは以下の通りです。
- Netflix(ネットフリックス):独占配信中
- 本作はNetflixオリジナル作品のため、AmazonプライムビデオやU-NEXT、Huluなど他のサブスクでは配信されていません。
- DVD・ブルーレイ:
- 現在のところ、ディスク販売の予定はありません。
- TV放送:
- 地上波やBSでの放送予定もありません。視聴したい方はNetflixへの加入が必須となります。
スポンサーリンク
🎞️ 視聴方法・類似作品の紹介
『アンファミリア』の不穏な空気が気に入った方へ、ムービーくんが次に観るべき3作品をピックアップしました。
- 『ゲット・アウト』
- 人種差別をホラーとして描いた金字塔。本作の「異物感」が好きな方は必見です。
- 『アス(Us)』
- 「自分たちの居場所を奪いに来る、もう一人の自分」というテーマが共通しています。
- 『パッシング -白い黒人-』
- 1920年代を舞台に、白人として生きる黒人女性を描いたNetflix映画。ニーヴの心理をより深く理解するための補助線になります。
スポンサーリンク
さいごに:あなたは彼女を責められますか?
『アンファミリア(The Strays)』。直訳すれば「迷い子たち」。
最後に捨て去られたカールとディオンヌだけでなく、自分の居場所を見つけられずに偽りの人生を彷徨い続けるニーヴ自身もまた、永遠の「迷い子」なのかもしれません。
彼女の行動を「母親失格」と断罪するのは簡単です。しかし、過酷な格差社会の中で、必死に「上の世界」へ這い上がろうとした一人の人間の末路だと考えると、少しだけ複雑な気持ちになりませんか?
この週末、ぜひNetflixでニーヴの「完璧な嘘」を体験してみてください。そして、あなたなら最後にどうするか、ぜひ僕に教えてくださいね!
- 1920年代を舞台に、白人として生きる黒人女性を描いたNetflix映画。ニーヴの心理をより深く理解するための補助線になります。
- 『ゲット・アウト』
- 地上波やBSでの放送予定もありません。視聴したい方はNetflixへの加入が必須となります。

コメント