静岡・東海エリアを中心に多くのファンを持つそば・うどんチェーン 「鐘庵（しょうあん）」。
名物の 「桜えびかき揚げそば」 は、全国でも珍しい「桜えび」を使ったかき揚げが目玉メニューとして支持され、年間150〜160万個以上ものかき揚げが消費されています。
これは創業者であり現会長の 大鐘正敏（おおがね まさとし）氏 が考案した独自の調理法 「踊り揚げ」 によるもの。
今回は、鐘庵の名物「踊り揚げ」がどのように生まれ、どんな工夫があるのか、そしてその背景にある大鐘正敏会長の経歴やこだわりまで詳しくお届けします。
鐘庵とは？名物「桜えびかき揚げ」とは何か？
「そば処 鐘庵」は2000年（平成12年）8月に創業し、静岡県清水区三保を皮切りに現在では静岡・愛知を中心に約40〜50店舗を展開する人気そばチェーンです。名物は何と言っても、 桜えびのかき揚げ（通称・踊り揚げ）。この“桜えびかき揚げ”は単に揚げるのではなく、「空気を含ませてフワッと揚げる」独自の製法によって、他では味わえない軽やかな食感を実現しています。
桜えびは駿河湾などで獲れる「特産食材」としても知られ、風味が強く甘味もあり、天ぷらに最も適した海老のひとつです。鐘庵ではその桜えびを活かすために、 天ぷら粉・油・温度管理・揚げ方 まで独自の基準を設計し、特に「踊り揚げ」という表現がぴったりの調理法として広がっています。
大鐘正敏会長｜脱サラからそば業界へ
鐘庵創業者である 大鐘正敏（おおがね まさとし）氏 は、もともと脱サラして2000年にそば屋を始めた人物です。まだそば店が「職人が営む専門店」か「立ち食いの庶民店」に二分されていた時代に、「誰でもおいしいそばを提供できる店」を目指して鐘庵を立ち上げました。
その発想は既存のそば業界にはないもので、専門店の味をベースにしつつも パートスタッフでも安定して提供できる仕組み を徹底的に考案したことが、チェーン展開につながっています。たとえば、そばを自動で茹でる機械（オートリフター）を自ら設計図から起こさせるなど、店舗運営の“仕組みづくり”にも積極的でした。アットエス
また、重い一斗缶で油を注ぐ手間を減らすために、 油をタンクローリーで運び、蛇口で直接注げる仕組み を導入するなど、現場のパートスタッフの負担を考えたアイデアも生み出しています。こうした現場視点の工夫が、チェーン全体の効率化と品質の均一化に寄与しているのです。
「踊り揚げ」とは何か？通常のかき揚げとの違い
「踊り揚げ」という表現は、鐘庵の桜えびかき揚げが 油の中で軽やかに浮かび、桜えびの素材そのものが躍動しているように見える 調理法を指します。具体的には以下のようなポイントがあります：
■ ① 衣が極力薄くフワッと
天ぷら粉を最低限に抑え、桜えびの持つ旨味を前面に出すために、薄めの衣で仕上げます。これにより歯ざわりが軽く、味のバランスが良くなります。
■ ② 油の管理が徹底
桜えびは非常に繊細な食材なので、油の温度管理や質が仕上がりに直結します。鐘庵では 高品質の揚げ油 と内部基準を設け、毎回一定の揚げ上がりを実現しています。
■ ③ 空気を含ませた揚げ方
「踊り揚げ」と呼ばれる所以は、桜えびが油中でふわっと“浮かぶ”ように仕上がる点にあります。油の中で玉が漂う様はまさに踊っているかのようで、サクサクした食感と軽い食後感を生み出します。shoan.co.jp
なぜ「踊り揚げ」が評判なのか？食感と味の秘密
鐘庵の桜えびかき揚げが全国レベルで評判となっている背景には、単に見た目の派手さだけでなく 食感と味のクオリティ があります。
一般的なかき揚げは衣が厚くなりがちですが、鐘庵の「踊り揚げ」は衣を薄くすることで、桜えびの旨味と香ばしさを活かすことができます。
さらに、桜えび自体は栄養価が高く、 タンパク質・ミネラル・EPA・DHAなどが豊富 であるとされ、軽い衣と合わせることで健康的な揚げ物としての印象もあります。
もちろん揚げ物であることには変わりませんが、風味や余韻の面で他店のかき揚げとは一線を画しているのです。
また、桜えびは超低温で急速冷凍後に品質を保つ流通管理を行い、店舗でも素材の品質が落ちないよう細心の注意を払っています。
「踊り揚げ」を支える現場の工夫と教育
鐘庵が他の飲食チェーンと大きく違うのは、現場スタッフの育成と調理工程の標準化です。
創業期から “誰が揚げても同じ味” を目指した仕組み を作った大鐘会長の方針は、現在でも各店舗の教育に活かされています。
当初から開発したそば茹で機や油注入設備も含め、現場が効率よく動くための仕組みの多くが自社発で考案されました。
こうした取り組みは単なる効率化だけでなく、 品質の均一化とスタッフの負担軽減 という2つの効果を同時に生み出しています。
大鐘正敏会長の哲学「4段階の味覚プレゼン」
大鐘会長は、食の価値を 「視覚」「香り」「音」「味」 という4段階で捉えるユニークな哲学を持っています。
これは単に味を良くするというだけではなく、 五感すべてを使って「おいしい」と感じてもらう ための巧妙な仕掛けです。
- 視覚：色の配色（白・緑・赤など）のバランスにより美味しさを予感させる。
- 香り：そばつゆや桜えびの揚げた香りが食欲を刺激する。
- 音：揚げる「サクッ」という音や湯切りの音が期待感を高める。
- 味：いよいよ舌で味わい、五感の積み重ねが満足感へとつながる。
この哲学は「踊り揚げ」かき揚げにおいても活きており、視覚→香り→音→味の順で満足度を高める戦略的な流れになっています。
「踊り揚げ」の人気と店舗展開
鐘庵は静岡・愛知を中心に約40〜50店舗を展開し、年間約150万〜160万個以上の桜えびかき揚げを提供しています。
これは日本でも有数の “桜えびかき揚げ専門” チェーンとしての存在感を示しています。
代表的な店舗例としては、
- 清水三保総本店（静岡市）
- 岡崎矢作店（愛知県）
- 静岡市曲金店（静岡市）
- 磐田中泉店（静岡県）
- 前橋日吉町店（群馬県）
など多岐にわたり、旅行者や地元住民にも人気です。shoan.co.jp+3shoan.co.jp+3shoan.co.jp+3
本店である清水三保総本店は、松原・海辺近くの観光エリアにあり、観光客の立ち寄りスポットとしても知られています。本店の旅
実際に「踊り揚げ」を味わうには？おすすめの食べ方
鐘庵では「踊り揚げ」を楽しむ方法が複数あります：
- 桜えびかき揚げそば／うどん：王道の食べ方。つゆとサクサク感のバランスが魅力。
- 桜えびおろしそば：さっぱり食べたい時のアレンジ。
- 桜えびかき揚げ丼：ご飯との相性も抜群で食べ応えあり。
- カレーそば・うどんにトッピング：洋風×和風の意外な美味しさ。
揚げたてをつゆに浸すとサクサクからしっとりへと変わり、二度楽しめるのも特徴です。
大鐘正敏会長の情熱が生んだ「踊り揚げ」
鐘庵の「桜えびかき揚げ」は、単なるチェーン店の名物料理を超え、創業者・大鐘正敏会長の哲学と工夫の結晶です。
脱サラからの出発、スタッフ目線の店舗設計、独自の揚げ方「踊り揚げ」、五感を刺激する提供方法など、
どれもが「誰でも美味しく食べられるそば屋」を実現するためのアイデアでした。
あなたが鐘庵を訪れた際は、ぜひ桜えびかき揚げと「踊り揚げ」の軽やかさを体感してみてください。
単なる食事が、五感で感じる体験に変わるはずです。
メタディスクリプション
鐘庵の名物「桜えびかき揚げ（踊り揚げ）」は創業者・大鐘正敏会長が考案した独自調理法。会長の経歴や哲学、揚げ方の秘密、静岡・愛知エリアの店舗情報まで詳しく解説します。
コメント